『代替進入口』とは、非常用進入口に代わる窓のことで、災害時に消防隊が外部から進入するための開口部です。
建築基準法では、施行令126条の6に規定。
代替進入口は、非常用進入口よりも簡易な構造とする代わりに、設置間隔を狭めて個数をふやすことで、非常用進入口と同等の機能を果たせるようにしています。
なお、同じ階の外壁面に非常用の進入口と代替開口部を併置することは認められませんが、設置された部分の壁面及び避難経路が異なる場合は認められます。
【代替進入口が必要となる建築物は、地上3階建て以上の建築物】
建物の用途には関係なく、建築物の階数のみで決まります。
戸建て住宅でも3階建て以上であれば、非常用進入口または、代替進入口が必要です。
【代替進入口が必要となる建築物の部分】
道路、または幅4mの通路に面する部分
・外壁面の10m以内ごとに設置が必要
・3階以上の各階、かつ高さ31m以下の部分
3階以上の階に居室がなくても進入口は免除されません。
はしご車を建物に近づけることができて、3階に消防隊員が直接、3階以上の階にアクセスできる位置に進入口が必要。
さらに、代替進入口は3階以上の階の外壁面に10m以内ごとに1ヶ所ずつ設けなければなりません。
はしごを最大に伸ばすと約31m、最上部での作業回転半径が約10mなので、31m以下、3階以上、壁面の長さ10m以内ごと(代替進入口)に設置ということなのですね。
(出典:確認申請ナビ)
2つの道路に敷地が面するときの代替進入口の設置位置
”2つの道路に面する敷地”は、以下の2パターンに分けられます。
2つの道路の交差点にある敷地(角地)
2つの道路に挟まれた敷地
それぞれの敷地について、10mの範囲の取り方は下図を参照。
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建築基準法に定められている「代替進入口の構造」について、一覧表にまとめると以下のとおり。
【代替進入口の構造基準】
進入口の間隔:10m以内ごとに1か所以上
進入口の大きさ:幅75㎝以上、高さ120㎝以上または、直径1m以上の円が内接できるもの
進入口の高さ:進入口の下端から床面までは1.2m以下
バルコニー:必要なし
赤色灯:必要なし
赤色反射塗料(▼マーク)必要なし(開口部がたくさんあり、どれが進入口か判別できない場合は、表示するのが望ましい)
代替進入口となる窓は、消防隊が外部から破壊して進入できなければならないため、ガラスの厚みに一定の基準が定められています。
(ただし、建築基準法には明記されておらず、特定行政庁や所轄消防署ごとの規定なので確認が必要です。)
代替進入口となる窓に防犯用のシャッターの設置は、戸建て住宅などに設置される軽量シャッターであれば、認められるケースが多いです。
(特定行政庁によっては独自の基準を設けていることもあるので、事前に確認検査機関に相談しておきましょう。)
代替進入口となる開口部に、屋外からの進入をさまたげるような格子などは設けることができません。
具体的な事例は以下のとおり。
外部から解放不能のドア
金属製格子・手すり(破壊の容易な木製のものは可)
ルーバー
窓を覆っている看板、広告板、ネオン管など
階数3以上の建築物であっても、建築基準法における緩和規定にあてはまる場合は、代替進入口の設置が免除されます。
【代替進入口の緩和規定】
”不燃性の物品の保管その他”これと同等以上に、火災の発生のおそれの少ない用途に供する階
”特別の理由により屋外からの進入を防止する必要がある階”で、その直上階または直下階から進入することができるもの
129条の13の3の非常用エレベーターの設置
吹抜きとなっている部分その他の一定の規模以上の空間で国土交通大臣が定めるもの
代替進入口は消防活動のためですが、代替進入口は建築基準法にはあり、消防法には無いです。ですので、代替進入口の規定は行政庁や審査機関と協議するのが原則です。
しかし、実際のところ微妙なケースは消防と協議して進めている事がほとんどです。
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