市街化区域または市街化調整区域内において開発行為 (建築物の建築などのために行う土地の区画形質の変更) をしようとする者が、あらかじめ受けるべき許可です。
建築物を目的として、農地転用・造成・区画の変更・公共施設の整備や廃止等を伴う500平方メートル以上(区域区分のない都市計画区域にあっては1,000平方メートル以上)の土地利用をする場合には、都市計画法第29条の許可申請が必要となります。開発許可の基準には市街化に良好な水準を維持するための一般基準 (33条) と市街化調整区域について市街化を抑制するための特別の基準 (34条) とがあります。
1.技術基準(法第33条)
良好な市街地の形成を図ることや、宅地に一定の水準を確保させるため、次の基準が定められています。
予定建築物等の用途が用途地域等の制限に適合していること。
道路、公園等の公共空地が適切に設計されていること。
排水施設、給水施設が適切に設計されていること。
地区計画が定められているときは、当該地区計画に適合していること。
公共施設及び予定建築物の用途の配分が適切に定められていること。
開発区域内の土地について必要な安全措置が図られていること。
原則として災害危険区域などの災害防止上支障のある土地を含まないこと。
1ha以上の開発行為については、必要に応じて樹木の保存、表土の保全等の措置や騒音、振動等による環境防止上必要な緩衝帯が設けられていること。
40ha以上の大規模開発については、鉄道等輸送の面から支障がないこと。
申請者に開発行為を行うための必要な資力・信用があること。
工事施行者に工事を完成させるために必要な能力があること。
開発区域内の関係権利者の相当数の同意を得ていること。
2. 立地基準(法第34条)
市街化調整区域では、技術基準を満足するほか、次の立地基準のいずれかに該当する場合でなければ許可することができません。ただし、第二種特定工作物については、立地基準は適用されません。
周辺の居住者の日常生活に必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場等のための開発行為(第1号)
市街化調整区域内の鉱物資源、観光資源等の有効利用上必要な建築物等のための開発行為(第2号)
温度、湿度、空気等について特別の条件を必要とする事業の用に供する建築物等のための開発行為(第3号)
農林漁業の用に供する建築物又は、市街化調整区域内において生産される農林水産物の処理、貯蔵、加工に必要な建築物等のための開発行為(第4号)
都道府県が国又は独立行政法人中小企業基盤整備機構と一体となって助成する中小企業者の行う他事業者との連携若しくは事業の共同化又は中小企業の集積の活性化に寄与する事業に必要な建築物等のための開発行為(第6号)
市街化調整区域内の既存工場の事業と密接な関連がある事業に必要な建築物等のための開発行為(第7号)
市街化区域内に建築することが不適当な危険物の貯蔵又は処理に必要な建築物等のための開発行為(第8号)
道路の円滑な交通を確保するために適切な位置に設けられる道路管理施設、休憩所、給油所等のための開発行為(第9号)
地区計画等の区域内において、当該地区計画等に適合する建築物等のための開発行為(第10号)
市街化区域に近隣接する一定の地域のうち、都道府県、政令市、中核市、特例市等(以下「都道府県等」という。)の条例で指定する区域内において、当該条例に適合する建築物等のための開発行為(第11号)
周辺の市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、都道府県等の条例で定められたもの(第12号)
市街化調整区域が定められた際、自己の居住用又は業務用のための建築物等を建築する目的で所有権等を有していた者が、当該日から6ヶ月以内に届け出て、5年以内に行う開発行為(第13号)
開発審査会の議を経て、周辺の市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められるもの(第14号)(審査基準の「提案基準」を参照)
市街化区域における開発行為
開発面積が500平方メートル以上(我孫子市、流山市は300平方メートル、大網白里市は1,000平方メートル以上)の場合は、許可が必要です。
市街化調整区域における開発行為
開発面積に関わらず、許可が必要です。
市街化区域と市街化調整区域との区分が定められていない都市計画区域(非線引都市計画区域)における開発行為
開発面積が3,000平方メートル以上(八街市、山武市、多古町、横芝光町、芝山町は1,000平方メートル以上)の場合は、許可が必要です。
都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域における開発行為(1ha以上)
開発面積が1ha以上の場合は、許可が必要です。
また、1ha未満であっても、5,000平方メートル以上(区域により3,000平方メートル以上又は1,000平方メートル以上)の開発行為は、「宅地開発事業の基準に関する条例」による確認が必要です。
(※千葉県では準都市計画区域は定めていません。)
※千葉県を例として各市町村により規制規模の概要が異なるので、申請する際は行政庁に確認することをおすすめします。